「第一期 0.5歩サーバントメンター講座」で思うこと。 ー上質なフィードバックが人を育てるということー

04.05

 こんにちは。堀之内です。

  2月にスタートした「0.5歩サーバントメンター講座」は1泊2日で毎月開催し、3セットで修了となるように計画しました。
 もちろん基本となる構想はありますが(2月26日ブログ、参加者の皆さんのニーズや変化の様子をよく拝見し、オーダーメイドでプログラムを作っていきます。

  第一回(前月)には思考・発想を豊かにするためのに「気づき」の力を刺激しました。今回はそれをふまえて、ロールプレイでの実践練習に集中しました。

  参加者の皆さんは職場にお戻りになって、ご自分の変化をどうお感じになっていますか?

 

なぜロールプレイだけではだめで、気づきや録画が必要なのか?

  そもそもロールプレイとは習ったスキルを使ってみる、手順を身につける、という練習の機会ですが、練習しただけでは、まったく身につきません。
 私のトレーニングでは大分前からビデオにとり、録画をすぐに再生して見るための機材を用意しています。このフィードバックは必須であり、フィードバックの質が大切で、そこに価値があるのです。

  ロールプレイでスキルを使ってみた、練習した。「ああ、こういうものか。わかった、じゃあ実際に使ってみよう」というしても、たいていは、本番の面接ではうまくいきません。なぜなら、わかった気になっただけのことが多いからです。

  いわゆるセミナーや研修というものはどんな時代にもあるもので、今まではこれ、次はこれ、とあちこちでトレーニング・ショッパーが生み出されています。新しいセミナーがあると聞けば、行けば何かあるかもという期待や焦りを抱き、そして受講したら「自分は勉強したんだ」という満足感に浸れます。わかった気になって、しかし、実際は何の力もついていない、ということが頻発していると思います。

  もし、いっぱい学んでいるのに実力がないと感じているとしたら、それはトレーニング方法とフィードバックの質の悪さがあるからです。

 あなたは実際にそのセミナーでできるようになりましたか?
 実力がついていると自信を持ってクライエントの方にいえますか?

 さて、ビジネスの世界での多くのセミナーというのは中身・コンテンツが移り変わるだけで、学び方自体は広がっていくものではありません。そして、はっきり申し上げて、新しい学び方や成長の仕方、研修転移といった新しいスキルを自分で職場で使えるようになるお手伝いはしてくれません。

  私もかれこれ30年以上、トレーナーをやってきました。ご縁があって1日限りの講師という形でお教えすることもありますが、自分で開催しているトレーニングではすぐに使えるようになることに注力してきました。なので、トレーニング会場ですぐに録画・再生ができるような機材は今でこそ価格面でも持ち運びという面でも楽に用意できるようになりましたが、こういう時代が来る前から私はこのフィードバックスタイルでやってきたという自負があります。

 それから、こういったトレーニングには心理的なケアも含めてトレーナーがリードしていく必要があります。一言で表するなら、Beingの支えです。
 今回もロールプレイに入る前にちょっとした工夫をしました。内面の安定を高めるように、すでに今のご自身を支えている心の中の何かとのつながりを再確認できるようなワークです。

  さて、心理でも医療でも福祉でも、援助者の養成には時間がかかります。誰もが最初はビギナーです。
 組織内で幹部社員を育てていくといっても、誰でも最初は新人です。

 それでもクライエント、患者、利用者、お客様の話を聞き、その方の変化と成長を助けるようなかかわりが求められるわけです。責任ある立場となります。ですから、関わる側は、しっかりと鍛錬する必要があり、わかったレベルではなく、できるレベルに到達するための質の高いトレーニングを受ける必要があります。

 本講座でも参加者の皆さんにご自分がロールプレイ面接をされたすぐ直後に、グループでその録画を見直して頂きました。

 ちなみに、ご自分でビデオを持参され、面接の録画とは別に動画で記録をされることも私は歓迎しています。ご自身がふりかえるというステップが成長のためにとても大事ですから、そのための材料はいくらでも提供したいと思うからです。

 そうやってふりかえることで、自分が習ったことをやってみてどうだったか、それを整理することで力がつくというのが、私が長年トレーニングを開催してきてたどり着いたスタイルです。

  昔は研修をやる、トレーナーをするとなると、あれもこれも教えたいことがあるものですから、本当にたくさんのことを詰め込んで“濃縮タイプ”でやっていました。

 お出でになった方たちが早く上手になってほしかったですし、上手な面接で早くクライエントが問題を解消できるようにお手伝いしたい、という一心でした。従来型の面接スタイルでは、だらだらと時間をかけてしまい、そんなことをしていたら一体いつ問題解決後の人生を始められるのか…というくらいの想いでした。

 ただ、やはり人が新たな気づきを得て、変化するには一度にたくさんの課題に取り組むのは遠回りだと経験しました。なので、テーマを絞って集中的に取り組んでいただくというトレーニングスタイルで今はやっています。

  自分の面接をふりかえるというのは初めは粗ばかり見えてきて、それでいて何をどうふりかえってよいのかもわからないですから、そういうスタイルで学び、気づくというのはしんどいものです。
 ですが、「0.5歩サーバントメンター講座」のようにグループで学ぶことが支えになります。ロールプレイをした相手、小グループ、全体で面接を見直すとご自身の気づきの外側からフィードバックを得られます。そして、落ち着いて面接を見直しているときに、もっと違う言葉がけを思いついたりするのですが、それをロールプレイの相手役に「このとき、こういう言い方をしていたら、どうでしたか?」と確認することもできます。そのときにお相手から「そう!そう言ってくれたら、もっと話したくなる!」というようなフィードバックを頂けると、ああ、こういう感触でOKなのだという深い身体感覚レベルでの習得ができるのです。

 こういったフィードバックは、リアルな面接場面では相手から頂ける機会はありません。さらに、自分自身が面接の練習相手になることで、面接をされる側の感覚を身をもって知るでしょう。いろんなメンター役の面接を受けるうちに、上手なメンターとの面談で自分の問題が解決・解消していくプロセスの「感じ」もわかるようになるでしょう。

 こういう実感があるからこそ、物心ともにハードなトレーニングでありながら、再受講したいというリピーターの方が多くお出でになり、そして経営者の皆さんが社員を派遣されたいと思われるのでしょう。

 すでに私がお手伝いしているいくつかの企業では、こういったトレーニングを通じて組織を”学習する集団”に作りあげることに成功しています。近いうちに、このブログでもご紹介できると思います。

 今期の0.5歩サーバントメンター講座は残すところあと1セットとなりました。受講者の皆さんとは来月またお会いできることを楽しみにしております。

 第2期の開催は秋を予定していますが、もしご興味のある方は事務局までお問い合わせください。

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