従来型講座の限界
ところで、「リーダーはこういうふうにしなさい」という知識習得型講座やセミナーでは、「よ~くわかったような気にはなれますが、会社に戻って自分のチームを目の前にすると、何をどこからやったらいいのかさっぱりわからない」はずです。
私のトレーニングでは、自分に必要なトレーニングを「考えてごらん」と言われ、ああだろうか、こうだろうかと「???」を思い浮かべながらも、まずやってみる。そして、ああ、これでよかったんだと思ったり、もうちょっと別のことをしたくなったり、気づきがあって、そして「次はこれをしたい、知りたい」が明確になっていく。右脳と左脳が同時進行していて、とてもクリエイティブな時間です。
セオリー通りに物事を進めていくのは、「自分は今、正しいことをやっている」という満足はあっても、それが本当にチームをクリエイティブにするとは限りません。
一方で、右脳と左脳が呼応しあって生み出されていくプロセスは、どこか不確定要素があるような感じがしたり、あとから理論づけて説明するのが複雑だったりはしますが、「これでいこう」「これでよかったんだ」という確信が積み重なっていくはずです。
流動的な現実社会でチームを運営しきるためには、こういった感覚的な部分を鍛錬して、今の自分(たち)にはコレだ!という直観的確信をもって進むセンスが大事なのです。だから、私の新しい講座では、これを存分に体験して頂き、その体験を元にして自社での実践につなげていってほしいと思っています。
今回の講座内でもサーバントリーダー論についての記事を一つ、批判を込めてご紹介しました。
日本経済新聞「従業員視点の新リーダー像」2019年4月12日付朝刊, 電子版
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO43619610R10C19A4KE8000/
(実によくまとまっていて、わかりやすくこれからのリーダーのあり方を示しているのですが・・・)
私はサーバントリーダー論について色んな資料を目にしていますが、残念ながら私自身が納得できるものはこれまでほとんどありません。この記事だけではなく、ほとんどの論文・記事において著者・筆者らの主張は理論や理念にとどまり、状態像の数的把握に過ぎず、「じゃあサーバントリーダーをどのように育成するの?」を示していないからです。
私は多くの経営者・幹部社員のメンタリングを通じて、いかに人は組織の中でサーバントとなりうるか、お手伝いをしながら実際に目にしてきました。そして、この講座の名前にもしましたが、サーバントリーダーに必要な一番のトレーニングは、メンターとしての力を磨くことだと確信しました。…(続く)