こんにちは、堀之内です。
今年もBeingワークショップでは数多くの個人ワークをいたしました。第三層、第四層の開発。これからの時代を乗り切る自己成長は、まさにもうこれに尽きる、という境地です。
ご参加頂いたメンバーが新たなスタートを切られ、新しい展開をお見せになっています。大変結構なことです。
さて、そんなBeingワークショップを終え、「0.5歩サーバントメンター講座」の第二期を開講しました。
再受講者もいらっしゃいますし、すでに私の元で学ばれていて本講座に初受講という方もいらっしゃいますし、まったく初対面の方もいらっしゃいます。新しい顔ぶれで、第一期よりも多い受講者をお迎えしました。
私の研修会ですから、テーマは変わらずサーバントメンターではありますが、当然ながらお揃いの受講者の顔ぶれを拝見し、進め方は都度オーダーメイドになります。
今回は単なる組織の幹部、管理職というだけでなく、これから事業を譲ろうという経営者、すでに譲り受けた後継者、後継の準備に入っている方々が多くいらっしゃっています。
事業継承には経営者・後継者だけのもののように思われやすいですが、実は違います。心の第三層、第四層レベルでは社員全員がかかわってくるのが事業継承です。だからこそ、経営者・幹部社員は第三層、第四層の開発というテーマに取り組み、研鑽されている必要があります。
<改めて心の三層・四層理論の説明>
色々な場所ですでにお話ししているので繰り返しになりますが、第三層レベルは愛がテーマです。
愛などと言われると何か壮大なイメージを抱かれる方もいらっしゃるでしょうし、人によって定義は様々です。ここでいう第三層での愛というのは、簡単にいうと他者への関心を向け続けていくということが核となります。他者とかかわり、相手を知ろうとし、知っていこうとする努力を言います。そのことを続けるということには、意志が必要となります。この意志とは、命をかけるほどのものをいい、弱いものではありません。命がけのもの…ということになります。簡単に言うと覚悟といったものになります。
ところが、この他者とかかわろう、知っていこうとすることが過度になると、人の心に何が現れるでしょうか?
自分の心の影(シャドウ)の部分です。Doing、Havingのレベルを様々に体験し、第三層のBeingレベルに差し掛かると、自分の中にあるネガティブな要素といっぱい対峙せざるを得ないことが、周囲からもたらされます。誠意を持って対応したのに、裏切られる…。思いもかけないところから心が刺される…。
それは第三層というレベルに到達したからこそ…のものでもあります。鍛練され、セルフが開発されたからこそもたらされるものであり、見えてくる景色です。家庭でも仕事でも、深く相手とかかわる力を身に付けたからこそ、自分にも他者にも、そしてこの世界にある“見ずにいたい”ような影の部分に光が当たり、“ああ…”と声をあげたくなるような、今まで見えなかった部分が見えてくるものです。
このレベルで留まり、あれこれと悩み続けることはムダである、と私は考えます。このときこそ、第四層を開発すればいいではないか!と奮起していただきたいのです。
これは苦しいステップではあるけれども、実は第四層に進むための必須要素であり、心の第四層開発の0.5歩を歩き出せ!というチャンスととらえていただきたいのです。
この世の、自分や他者の心の中にあるどうしようもない影を「あるもの」として理解し、「私はそういうものだ」とわかった上でも心を安んじることができる力を内包していること、それが第四層なのです。
心は千々に乱れても、それに気づきながら、同時に身体はデンと落ち着いている。そういう境地です。それを生かすことで、第一層・第二層は容易に自身の中から解決できるようになっていくものです。そういうもんだ、ワッハッハと。
さて少しくどくなりますが…
<経営者・幹部社員に特有の心の苦労>
経営者などの社会的成功を手にされている方々は、実に豊かなセルフをお持ちです。それゆえに第三層に達したときに出会う影も深い、とメンタリングでお手伝いしていて感じます。
どうにもできない深い心の痛み。何とかしようともがく中で例えば出家するとか、田舎に引っ込んで自給自足暮らしを始めたりとか、そういった解決努力をされる方もいるでしょう。私はそういった形を取らずとも、経営者、あるいは組織を支える幹部としての自分を持ちながらも第四層のレベルで生きていくことをBeingワークショップでお手伝いしていますが…。
古今東西の精神世界についての扱い方を幅広く学ぶと、一定の手順があることに気づきます。それを活用することで“俗世”のままでも、DoingやHavingのレベルもやりつつBeingレベルでの人生をやっていくということが可能です。
<今期内容の特徴>
今期の「0.5歩サーバントメンター講座」では言わばBeingワークショップのミニ版を、経営者・幹部社員が“ミニ堀之内”となってメンターとしてリードできるような取り組みになっていくと考えています。
なぜなら今、事業継承が難航している多くの組織を見ていて、足りないのは第三層・第四層レベルの鍛錬・発想だと思うからです。
<事業継承は影を引き継ぐこと、新たな影が形をあらわれ出すこと>
事業継承、代替わりを思考・感情・行動レベルで「そうだ、こうやっていこう」と決めたとしても、人間の深層心理はそうはいかないわけです。
先代から引き継いだときから、あるいはもっと前からくすぶり続けているテーマ。そして今いるメンバーたちが自覚せぬまま抱くテーマ。それらが交錯し、大きく顕在化するのが代替わりのときなのです。言わば“集合的なunfinished business(未解決な課題・わだかまり)”と言ったことでしょうか。
注意すべき点は、こういった渦に巻き込まれるというのは、代替わりの当事者だけでなく、組織の全メンバーであるということです。一般の社員にとっても事業継承の場に立ち会うというのは、無自覚・無防備なままだと自分の影が刺激され、思ってもいないような、いわゆる「魔が差す」というような言動という形で現れてしまうことがあるのです。わかりやすく言うと横領とか不倫とか、Doing・Havingレベルで頑張ってきたのに何か満たされなくて暴走してしまうというような現象です。
そのことに気づき、そして前もって自分の影の取り扱いを経験しておくことを私は強くおすすめしたい。
そして、その経験を部下や自分の後ろに続く方々ができるようなお手伝い(サーバント)ができるような人が育っていかれることを願っています。私も今期、そのように尽力していく所存です。
堀之内高久
◆事務局からのお知らせ◆
「第三期 0.5歩サーバントメンター講座」を2020年春期に開講予定です。
ご興味のおありな方は早めにお問い合わせ下さいませ。