過去の投稿(2121年)

2021年Beingワークショップに参加される方へ(4月28日)

今年もBeingワークショップが開催されます。
参加を決めた方へのメッセージ動画を作りました。
いま参加を検討されている方もぜひご覧ください。

Beingワークショップのご案内はこちら

~2021 夏 Beingワークショップ~ 変化に必要な3つの「すごみ」ということ(8月10日)

2021年8月を迎え、東京2020オリンピックの真っ最中です。

私は7月に雫石・箱根の2か所で「堀之内Beingワークショップ」を開催しました。

今年も多くの個人ワークを行ってBeingワークショップ2021の前半を終え、私の「サバイバル心理療法」についてお話ししたくなりました。

個人ワークの具体的な内容ではなく、その前段の部分について知って頂きたいと思ったのが、人への「うらみ」、人への殺したいほどの憎しみをどう扱うかです。

“あいつのせいで自分はひどい目にあった…”

私の過去の心理臨床経験の中には、犯罪被害者のご遺族もいましたし、少年犯罪で加害者となった自分を憎む若者にも出会いました。

仕事の関係での裏切り、だまされた、横領された、パワハラ・セクハラにあった、婚姻外恋愛に苦痛を味わった…

“あいつ”が親の場合もあれば、このように職場の同僚・上司、配偶者、犯罪者に対してという場合もあります。

私の前提はこうです。

相手が100%悪いのです。あなたにまったく非はありません。

自分に非があったと考える必要はまったくありません。

性被害など、自分に落ち度があったという考えはまったく的外れです。間違っています。犯人が100%悪いのです。

間違った考えをまず手放してください。

まずこの前提を持つことが必須です。

そうなんだ、と理解することがサバイバルの第一歩です。

その上で、あなたの日常をどうしていくか、です。

相手を憎み続けると、莫大なエネルギーを使ってしまい心身が消耗します。毎日、寝ても覚めても、瞬間瞬間に相手のことが脳裏から離れなくなります。

場合によっては、“あいつ”のせいで病気になることもまれではありません。

眠っている間も夢に出てきますし、目覚めても相手のことで頭がいっぱいになります。

心の生傷のまま過ごすことで、PTSD(心的外傷後ストレス症候群)やうつ病を発症して、慢性的な精神疾患が続くのです。

そういう状態に一時的に陥るという現象そのものは決して異常だとかおかしいということではなく、健康な人なら誰にでも生じうる「回復のための準備状態」です。

これを聞いて、今は納得なさらなくてもまったくかまいません。

読み進めて頂ければ、この私の言葉に理解なさるでしょう。

つまり、誰かへの憎しみを抱えたあなたの日常は、傷つき続ける心の痛みというストレスを抱え、同時にそこからサバイバルするために身体や脳が懸命に回復作業に励まなくてはならず、オーバーワークです。

「こんな大変な目に遭って、寝てなんかいられない!」と頭の中でぐるぐると考え続けてしまうことも、回復のために自動的に脳が働いていることの表れで、サバイバルとして起きていることなのです。

<私のアプローチの基本>

ただ、他人である私は、あなたのその大変さを到底わからないと思って、サバイバルのお手伝いをしています。

あなたの経験は、あなただけにしかわからない過酷なものである、と私は思っています。

あなたの傷つきはそう簡単に、いや、絶対に他人にはわからないものと思っています。

時に赤の他人が「わかりますよ」という場合があります。善意で言うのでしょうがそれはまったく正しくありません。他人に人の痛みをわかるはずはない、と私は考えています。

その痛みはあなただけのもので、あなたが何とかするほかはない、その手伝いを私はする…というのが私の前提です。

私のこのスタイルに「冷たいな」「何もわかっていないではないか」とお感じになるかもしれません。これ以上読み進めることが嫌になるかもしれません。

でも、もう少し読み進めてください。

私はBeingワークショップで何をするのか、をお話ししたいと思います。

私がするのは、たった二つだけです。

一つ目は、あなたと私とワークショップ参加者が全員で、一緒になって、あなたの大変さを知ろうとする最大限の努力をいたします。

二つ目は、あなたのサバイバルの最善の方法をオーダーメイドで提供します。

Beingワークショップでこのアプローチがうまくいくためには「3つのすごみ」が必要です。

すごみ①:個人ワークを受けられる方がご自身の人生の深刻な課題と向き合い、チャレンジするすごみ

「私は、何とかしたいんだ!!!」

「相手を殺したいほどに憎んでいて、これを何とかしたいんだ!!!」

…という必死さを必要とします。

会場には息をするのもはばかれるほどの緊張が生まれます。

するとそれは参加者の側にも追い込まれるような感覚を起こします。

すごみ:②個人ワークのオブザーバーとしてその場に居る参加者のすごみ

他の人の個人ワークが目の前で展開され、目撃者としてそれを一緒に経験していると、「この人のために私もなんとかしたい!!!」という第三層から湧き出で来る「すごみ」が出できます。

あるいはそういった言葉や顕在意識ではなく、ただただ涙があふれるという形で表れることもあります。

それらは第三層の「愛と意志」機能の活性化を意味します。それが個人ワークの当事者にパワーを与えます。

参加者が自分ではない人のために、その方のサバイバルに自発的に協力する姿勢が生まれ、そこにすごみがあります。

それは、目の力、態度、動き…その協力者に内在する「よし、手伝うぞ!」というものが当事者に伝わっていきます。

私がよくお示しする『問題発生式』におけるところの「絆」が生まれる瞬間です。それが

当事者に変化を起こします。

それらが私のアプローチの「すごみ」となっていきます。

すごみ③:堀之内のオリジナルアプローチ

一般的なカウンセリングや心理療法では、こうしたサバイバルをどう取り扱うかというと、主として私の言う第二層「思考・感情」レベルで解決を図ろうとします。

お話を聴くというのは、第一層「行動」レベルで聴いてもらえた…という感じが得られるので私の言う「絆」づくりの効果はあるのですが、しばらくすると苦悩は再現され、場合によっては、10年20年と変化のないままに過ごすことがまれではありません。

最悪なのは、心理専門家が自身のアプローチのせいで相手をそういう状態にしているというのに、何年も経ってから「いつまでもそんなことを気にするのは時間が無駄じゃないですか、前向きに生きなきゃ」という激しい怒りを相談者に持ちながら面接を続けている…という実情です。

お話を聴くというのは第二層の思考の転換を図るための準備として必要ですが、それだけでは相談者の感情をえぐっているだけになってしまいます。

では私のオリジナルアプローチではどのように取り扱うかというと、『こころの四層理論』における第四層「ゆるし」をテーマとする方法です。

深い憎しみを持つ方の第四層を開発するために、私はBeingワークショップという場を活用しています。

たった一人で問題に向き合うのではなく、自分が問題に向き合う姿を誰かが知ってくれているとか、一緒に取り組んでくれるという経験をすることが、第四層を活性化します。

先に述べた2つの「すごみ」があってこそ、この活性化がうまくいきます。

ですから、繰り返しになりますが、当事者の方に「すごみ」がなければなりません。憎しみ続けた苦しみをいよいよ何とかしたい、よしBeingワークショップに参加するぞ、個人ワークを受けるぞ、という取り組みへの本気度は『こころの四層理論』で言う第三層を活性化させます。

この“解決への意志”に、その取り組みが「愛」をもって他者が見守ってくれているという体験が加わり、第四層が劇的に活かされるのです。

個人ワークを受けている方が抱えてこられた苦しみ・悲しみを解放するとき、その痛みは参加者全員に伝わります。痛みのすさまじさに圧倒され、呆然とします。どうにかしてあげたいが、どう手伝ったらいいかわからない…という無知や無力感に打ちのめされます。目を背けたくなったり、伝わってくるものを感じ取りたくなくて無感覚になっている自分に気づくこともあるでしょう。

そういった自分に気づいて、自分をゆるしていく。その過程で参加者全員の第三層が活性化されていき、涙として表れたり、それでも何とかこの人を手伝いたいと個人ワークの協力者になったりすることで、すごみが「愛」となって伝わっていくのです。

またBeingワークショップで何人もの方の個人ワークが展開され、このようなプロセスを同じメンバーで何度もたどることでさらに強化されていきます。

起きることすべてが、苦悩する当事者のサバイバルに活用されます。

人の苦悩の解決には、以上のような3つのすごみなくしてはありえません。

2回のBeingワークショップを終えて、参加者の方々の中で起きるすごみについて書きました。

あと3回のワークショップでの「すごみ」を期待して。

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