過去の投稿(2020年)

面接が上手になるための秘訣(その1)(2月7日)

こんにちは。堀之内です。
令和2年を迎え、皆様いかがお過ごしですか。

 年明け最初のトレーニングは福祉・介護専門講座でした。小雪もちらつくなか、熱心な方々がお集まりくださいました。

<録画再生学習は不可欠>
 私のトレーニングの基本は、ビデオカメラで録画しながらの面接練習です。メンター役としてご自身の面接の録画を何度も見直しすことをお勧めしています。ただ、それだけではご自分の職場などで面接を録画しているのと同じです。

<フィードバックが重要>
 肝心なのは、フィードバックです。このフィードバックに値千金の価値があるのです。

 実際に面接を受けたクライエント役から直に。
 またオブザーバー役や、堀之内のトレーニングを受けたトレーナーがその場でライブスーパーバイズし、面接をよりよく展開できたという体験をされますから、成功する感覚、体感、勘所というようなものも得られるのです。上手になるのは当たり前です。

<ロールプレイ法は手順を学ぶためのものー限定的>
 世にカウンセラー養成講座はたくさんありますし、また、大学や大学院でも、いわゆる役割を与えられて、例えば、不登校の役とか、うつ病の患者さんといったロールプレイという方式がなされます。これは手順を学ぶためのものですが、これではあまり力がつきません。

 力をつけるためには、受講者ご自身が解消したいと思っている悩み事を扱うことにつきます。クライエント役としてご自身が自分の問題を語るということがスキルやBeingの向上に不可欠です。
 それから、二者の面接を観察するオブザーバー役も回ってきます。メンター役のライブスーパーバイズをやるという形でのトレーニングです。

<それでは堀之内は何をしているのか? 役割は何でしょう?>
  面接練習は同時に複数が進行していますが、もちろん俯瞰的に観察しています。
 それから、面接のビデオは実際にその場にいたメンバーでふりかえって頂きます(すぐに私がスーパーバイズすることもあります)が、そのふりかえりで得た気づきをもとに、私がスーパーバイズします。

 自分が立ち会わなかった他のグループの面接についても事後に共有して頂くわけです。立ち会った面接よりも少し客観的に見直すことができますから、体感的な鍛練に加え、知的な側面についても学んで頂いていると思います。テクニカルフィードバックがなされるわけです。
このような手法は受講者の学びを多層的多角的学習となり、受講者の気づく力、自ら学ぶ力をどんどん育てます。

 コーチングやコンサルタントでご活躍のみなさん、そして組織を率いる経営者、部下のいる上司の方々にも大変参考になる様式だと思います。
 職種ごとの違いがありますから、メンタリング研究所では活躍されている領域によってコースを分けていますが、受講者側(≒クライエント、部下)の立場でまずは経験していただくと、すぐにご自身の立場で応用できるはずです。(続く)

面接が上手になるための秘訣(その2)(2月16日)

<今回はこんな事例の面接>がありました。
「家族に対して爆発してしまう」ということ、その状況の説明が長くなされ続けている・・・それが問題で爆発を解消したいと訴えるクライエントとの面接で、メンター役からは焦点化がうまくいかなかった、という報告がありました。

私のスーパービジョンの第一声は何だったでしょう。
クライエントに対して・・・・。

堀之内
「いつ爆発するかを決めたいということですか? 今回はいかに上手に爆発するか、鍛練したいということですか?」

 このあと、元々のメンター役が面接者となり、私がライブスーパービジョンで面接をお手伝いしながらこう付け加えました。
「家族への想いが“爆発”している。怒りのように言っているけど、家族への思い・情熱が激しいということ。その出し方を学ぶための見本が今まではなかっただけだとお見受けします、いかがでしょうか?」

 テクニカルフィードバックの質疑応答で、この介入を観察していた別の受講者からとても興味深い問いがありました。
受講者「堀之内先生は“爆発”を、いつそのように見極めたのですか?」

“爆発する”とか怒りの感情による現象を多くの人はネガティブにとらえます。このことに対して、メンターはどう準備していればいいのでしょうか?

それは、爆発という(表現)でしか、できておらず、それがうまくいくためにはどうしたらいいのか? を聞きたいのではないか?と。そうではなく、もうすでにうまく解決のチャレンジをしているではないか、ただ、その方法を知らないだけではないか、その方法を知ればいいだけではないか・・・ということ。

 その際・・・ 常に『いいところを探す』という意思を明確にもっていることが大事で、するとクライエントに語りかける言葉がわいてくるわけです。

 問題を問題ととらえていては、メンターの役割は果たせません。「怒りや爆発をなくしたい」と語るクライエントと一緒になって、メンターが「怒りや爆発はなくすべきものだ」と思うのではなく、それをどう使うかということを考えた方が、うまくいくことが多く、それが秘訣なのです。

『いいところを探す』と考えることには、クライエントのこれまでの人生の歩みへのメンターの敬意を持つことが大事です。

 クライエントが今、どんなにまずいことになってしまって面接にいらっしゃっていたとしても、その人が一生懸命やった結果だ、という前提でみるのです。
面接にいらっしゃるというのは余程のことです。その方ご自身の最大限の努力をしてきた…それしかないはずです。

 ただ、これまでと同じに、ご自身のやり方だけではうまくいかないわけですから、ほんの少しだけ今までとは違ったやり方を提案するのです。 そして、例えば爆発することが問題で、止めようとしても止められずにいるのだとしたら、その爆発を止めなくてもいいようなやり方をクライエントと作り上げていくのが、メンターの腕です。

 人は最善を尽くしてサバイバルしている。それが周りからどう見えようと、ご本人でさえ満足できないものだっとしても、そうなのだ、ということが始まりです。

 面接が進んでいくとき、『いいところを探す』という視点で見ていくと、瞬間瞬間にいろいろな介入プランが湧いてくるのですが、あとは直感的にこれ!を私を選ぶことになります。

 さて、先ほどの受講者の「いつ見極めたのか?」という質問にお答えするならば、そのように心がけるだけで、その瞬間に見極められていたということになるでしょう。 

 さて、もちろん実践のためにはBeingレベルでの成長のための取り組みが必須なわけですが、それでも、知識レベルで知っておくということはとても大事だと思います。ヒントを示たのですが、ご理解いただけることを願っています。たぶん、言葉で書くとなかなか伝えにくいものがありますから、トレーニングの場で学んでいただくといいのですが。

 以下の言葉を記憶にとどめてください。

一見“問題”に見えることも『いいところ』なんだ、という視点を常に持つ。そういうふうに見ていこうと意思を持つこと。

 単なる助言や言いっぱなしのお説教みたいなコンサルタント。ただただ傾聴のカウンセリング。そういうものではない面接を目指したい方へのヒントとなれば幸いです。

 ますますの学び。

堀之内高久

動画をアップロードしました ~中国在留邦人の方に(コロナウィルス)~(2月18日)

いつもメンタリング研究所のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
事務局より無料動画サイトをご案内します。

NEW!! https://vdg.jp/nm3818/

※現在HPトップページでも「動画配信」をご案内していますが、よりご覧いただきやすいように、上記の新動画コーナーに移転作業を勧めております。

みなさま、こんにちは。堀之内です。

みなさまご存知の通り、新型コロナウィルスCOVID-19(coronavirus disease 2019)の感染者が日本でも増えています。
少し前に、中国在留邦人の方からのご相談があり、動画を作成しました。
このような命にかかわる出来事に見舞われ、夫婦・親子で「じゃあ、私たちはどうする?」という決断が迫られる事態に直面すると、絆・自己尊重が揺らぎ、家族関係の危機の恐れがあります。
このような危機をどう乗り越えるか、解説しました。
日本国内でもフェーズが進み、日本国内でも同様の状況があると思います。
一般の方も、対人援助の専門家の皆様もぜひ視聴いただき、お役立てください。

堀之内高久

「新型コロナウイルス」という不安に対しての成熟者の態度とは(3月1日)

 みなさま、こんにちは。堀之内です。
 先日配信した動画『中国在留邦人の方に(コロナウイルス)』はご覧になりましたか。
 日本国内でも一斉休校など、大きな措置が取られるようになり、ウイルスのパンデミックというよりは、不安の連鎖、パンデミックを私は懸念いたします。
 このフェーズに入ったことで顕著になるのが、成熟者と未成熟者の違いです。
 経営者や施設長、幹部職員といった組織のリーダーの皆さんには、成熟者としてコロナウイルスへの組織メンバーの反応を、次のような基本姿勢で受け止めて頂きたいと思います。
 まず、不安には2種類あります。というより、2種類しかありません。
「わけがわからないもの」に対する不安と、「わけがわかるもの」に対する不安です。
 前者の「わけがわからないもの」とは、“恐怖”の反応に類するものです。人類は長らく、そういう「わけがわからないもの」に怯えるという機能を活かして、生き残ってきました。なので、そういう恐怖レベル不安の反応は本来的にはあってもよいものです。
 しかしながら、そういった恐怖レベルの不安に束縛され続けて長い時間を経て、私たちは科学の発展を遂げました。
 恐怖不安を抱いていた現象に科学的な説明をつけることが可能になり、「わけがわかるもの」にしてきたということです。
 ルネサンスを境に科学の発展、技術の革新という形でに私たち人間はサバイバルの努力をしました。恐怖不安に陥れられるような現象を解明し、予防や対処の手立てを開発することで危機を乗り越え、“警戒”くらいの反応で済むようになっていったのです。
 ただ、「わけがわかる」としても危機の可能性に対して警戒は必要です。“警戒レベル不安”の反応を維持するのは、まことに健康的な機能です。
 すると今、皆さんが不安を感じていらっしゃるとしたら、その不安は「わけがわからないもの」なのか、あるいは「わけがわかるもの」なのか、どちらなのかということをご自身でしっかりと自覚なさることが必要です。
 では、新型コロナウイルスへの不安というのは、恐怖レベル不安であるべきか、警戒レベル不安であるべきか…。
 新型コロナウイルスが人間の身体に対して何を引き起こすのか、すでに大部分が「わけがわかるもの」になっていて、対症療法も明確になっています。
 もちろん発生原因や感染ルートなど、解明されきれない面もあり、それゆえに恐怖不安が煽られがちですが、冷静に考えると、それは私たちがさまざまな病原菌を克服してきた歴史と変わりません。

 一般的な風邪やインフルエンザでの死亡率と比べて、どうでしょう。現在までのところ、いわゆる成人、働き盛り、壮年者にとって致死率の高い病気ではないと言ってよいでしょう。
 私のような高齢者や持病のある者は警戒は必要ですけれども、自分の身の周りのことを普段から出来ているならば、新型コロナやインフルエンザへの予防行動は難しいものではなく、仕事を続けることも十分に可能です。
 したがって、恐怖不安であり続けることからご自身が自覚的に離れ、「自分の不安は“警戒”なのだ」と認知してください。
 “警戒”も人類のサバイバルのために必要な機能ですから、止める必要はありませんが、「これは本能脳(大脳辺縁系)の反応なのだ」と自覚しましょう。
本能脳の反応を受け止めつつ、同時に理性能(大脳新皮質)=知性を使い、合理的な判断をしながら過ごすのが成熟者です
 今こそ、このように成熟した大人たちがサバイバルの手本を周囲に示す時機です。組織のリーダーたちは社員育成のチャンスと思って下さい。
 無知、あるいは知性を活性化しないために生じる“恐怖不安”による経済活動への影響が出始めていますが、全ての人が合理的に(理にかなったように)動く努力が必要です。
 今、テレワークを導入する企業が急増中ですが、成熟したリーダー、組織であればこれを“チャンス”として取り組んでいることと推察いたします。
「わが社にはどのように機能するのか…という社会実験をしている。」そういう発想はおもちでしょうか?
今の状況は、日本国民一人一人にサバイバル能力の鍛錬の機会が与えられたと私は考えます。

 今の状況がサバイバルなのではないのです。
 さあ、組織のリーダーの皆さん、経営者はこれまで培ったBeing、安定感、マインドフルネスで“でんと”構え、今こそ、そのBeingが試されていると心がけて過ごされることを願っています。

2020年夏 Beingワークショップ テーマ公開(3月10日)

いつもメンタリング研究所のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
事務局よりBeingワークショップのサイトのリニューアルをご案内します。

今年の夏もBeingワークショップを開催いたします。
間もなく日程や申し込み方法をご案内しますので、今しばらくお待ちください。

今年のテーマについて、堀之内先生のメッセージを新公開しました。
下記リンクよりご覧ください。

2020年7月18日の箱根Beingワークショップ動画を公開(7月30日)

今夏7月18日に行われた箱根でのBeingワークショップの様子を動画でご紹介します。
今年は全国5カ所で行われ、無事終了いたしました。
今後のBeingワークショップ参加への参考にどうぞご覧ください。

Beingということ」箱根beingワークショップ2020.7.18

Beingワークショップのご案内はこちら

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